| Story |
|
ルルノイエから北西に位置する村、サジャ。 エルザは、クライブにそこへ来いと言った。決着をつけようと…。 そして今、クライブはリュウらと共にサジャの村にいた。 「来たね、ぼうや。そろそろ、決着をつけてあげるよ…」 「あぁ…」 2人の間には、ただならぬ空気が立ちこめている。 エルザの方は、いつものように少し笑みを浮かべているのだが、クライブはエルザをじっとにらみつけている。 「クライブ、昔のよしみだ、ガンナーとしての決闘を、願えないかい?」 「………」 少し黙った後、クライブは表情を変えずに答えた。 「いいだろう……シュトルムは、お前を撃てないらしいからな」 そう言うと、クライブは持っていた銃、シュトルムを投げ捨てた。そんなクライブの行為に、エルザはふふっと笑うと「ありがとう」とクライブにかすかに聞こえる程度に言った。するとエルザは、クライブにゆっくりと近づき2つの銃を差し出した。 「シュテルン、”星”、ギルドでは信頼を示す。モーント、”月”、ギルドでは裏切りを示す。守護と暗殺、ほえ猛る声の組合の二つの顔。好きな方を選びな」 クライブは、無言でエルザの手からシュテルンを取った。信頼を示す銃。 「シュテルン…それを選ぶと思ったよ…」 クライブはやはり、顔色一つ変えはしない。 シュテルンを手に持ったクライブは、エルザから数メートル遠のき、振り返った。 「いつでも…いいぞ」 「せっかちね…もう少し…この世界…名残惜しんだらどうだい?」 モーントを右手に構えながらそう言ったエルザに、クライブはシュテルンを右手に構え、 「その必要はない」 と睨むように言った。 過去のエルザの裏切り…それがどうしても許せないようだ。 …そして、最後の決闘の時がやってきた。 「ほえ猛る声、地上に降り立つ影!」 エルザの、その始まりの言葉が辺りに響く。それと同時に2人の銃を持った右手がわずかにあがる。2人が交互に言葉を発するたび、銃口が上に向いていくようだ。それがギルドの決闘の、順序とでも言おうか。 「ほえ猛る声、髪を撃つ輝き!」 「我ら、生と死を分かつ、呪いの声!」 「この地、この時、ガンの子ら、互いの血を流さんと欲し、」 銃口が完全に上を向いた。今度は逆に、下がっていく。そして銃口が互いに向いたとき、決着の時だろう。 「互いの魂を求め合う、」 「聞け呪いの子ら…」 「我らこそ!!!」 次のクライブの言葉が最後だ。 「戦いを告げる、最後の響き!!!」 「クライブ!!!」 「迷いはない!!!」 ッドォォン… 鈍い銃の音が、静かな村に響いた。 …クライブの持つシュテルンだけが、エルザに向けて火を噴いた。 「ぐ…ぐふっ…」 エルザは、胸を打ち抜かれた衝撃でその場に倒れ込んだ。 「終わりだ…」 銃をおろすと、クライブはそうつぶやいた。どこか悲しそうだ。 「あぁ…そうさ…お前の…勝ちさ…」 横になっていた体を辛そうに空へ向けると、エルザは途切れ途切れに言った。 「私が…あんたを…撃てるとでも思ったのかい…ぼうや……このガンには弾は込められていない……」 「………」 息を切らしながらも、エルザは話し続ける。 「ケリィを撃ったあの日…あの時…私は死ぬべきだった……ガンナーの…誇りを持ったまま…死ぬべきだった……」 クライブは、一歩も動かずに立ちつくしている。 「だがね…ぼうや……私には…未練がありすぎたよ…」 「何を…」 少し前に踏み出しながら、クライブが言った。少し動揺しているようにも見える。 |